聖母マリアの月によせて

広島県と岡山県では、緊急事態宣言が発令され、厳しい状況となりました。それに伴い、ミサも非公開となっています。

こうしてHPをアップしている間も、窓の外からは、救急車のサイレンが鳴り響いています。

どうぞ、みなさまそれぞれが命を守る行動をとっていただけたらと願うばかりです。

 さて、5月は、聖母マリアの月です。

今日から数回にわけて、岡山鳥取地区長山口神父の講話を掲載させていただきます。

 一日も早いコロナ禍収束を願いつつ・・・・・・

 

コロナ渦の中で考える 8  

      -マリア様の月によせて-                 2021年5月11日    

五月になりマリアさまの月を迎えています。山々の緑も濃くなりあちこちでいろんな花々や、野草の花が生き生きとしたすがたを見せています。この五月が私たちの心に与える力は、何にもまして力強く、マリアさまの月とした教会の配慮を感じます。

コロナも一段落するかと思っていたら、変異ウイルスの蔓延によって、鳥取市内にも連日感染者の報道がなされています。ワクチンの接種もいつになることかと不安に思う今日この頃ですが、どうか希望を失わずにコロナの終息を願いマリアさまに取次ぎを祈りたいと思います。

 

5月は「マリアさま」の月であって「ロザリオ」の月とは教会は呼んでいません。ですがルルドに出現したマリア様もファティマに出現したマリアさまも、「ロザリオ」を手にして、出現に立ち会った人たちにロザリオを唱えるように勧めています。また立ち会った人たちだけでなく、全世界の人々に「世界平和のために」ロザリオの祈りを唱えるように勧めているのです。でもやはり5月は「マリアさまの月」と言った方がぴったりします。

ロザリオを唱える習慣が世界中にありますが、イタリアでの生活の中で特に印象に残った出来事が、この五月のマリアさまの月にありました。イタリアの御婦人方は、この五月の聖母祭が始まることを心待ちしています。五月になると着ているものが一斉に新しくなります。派手な明るい色とりどりの原色に近い服装を老いも若きも身に着けるのです。そして聖母祭を頂点として、新しく着飾った服と、真新しいロザリオが手に持たれています。聖母祭のときは、「アベマリア」の祈りの声と歌声が町中に響き渡ります。歌は日本でもお馴染みの曲である「あめのきさき」の大合唱です。マリア祭の折に、修道院の近くの肉屋さんのご主人に呼び止められ「日本はマリア祭をするのかね」と聞かれたことがありました。「日本は信者の数が少ないし、これほど大きなマリア祭なんかありませんよ」と答えたら、「イタリアのマリア祭には、面白いことがいくつもあるけど、5月は女性の月で、女性は子どもから大人まできれいに着飾るんだよ。それだけじゃなく、教会に行っている家族は、親から新しいロザリオをもらう。もらったロザリオを葬儀の時すべて棺の中に入れてもらって葬られる」ということでした。

ロザリオの祈りとマリアさまは、深く結びついています。祈ることの大切さを一番教えてくださっているのはマリア様です。使徒言行録の中にマリア様の名前が出てきます。「彼らは皆、婦人たちやイエスの母マリア、またイエスの兄弟たちと心を合わせて熱心に祈っていた」(使徒言行録114節)。この短い聖書の箇所からもマリアさまが本当に心を込めて熱心に祈っていたことがわかります。私たちの祈りは一体どうなのでしょうか?ミサやほかの仕事を準備するときにまず祈っているのでしょうか。(続く)